コリドー街ノンフィクション小説 (3/3) 真実 | 東京アバンチュール|東京の夜を遊び尽くすための総合情報サイト

コリドー街ノンフィクション小説 (3/3) 真実

ストーリー

こんばんは、TOKYOアバンチュール ライターのナカムラです。

 

 

 

前回までのストーリー

彼女と破局し傷心中だった達也が友人に連れられてはじめてコリドー街に。

そこで出逢った女性“夏美”に惹かれ、後日映画デートをして、過去のトラウマを抱えながらも徐々に心を開いていく“達也”

しかし、友人の高橋と飲んでいた達也は、“夏美”が見知らぬ男性と一緒にコリドー街にいたという話を聞かされ・・・。

 

 

Chapter3 真実

高橋「・・・直接話したわけじゃないから確信は持てないけど・・・夏美ちゃんだったと思う」

達也「そっか。」

高橋「まだ確定なわけじゃないし、そもそもその男との関係性だって分かんないんだからそう落ち込むなよ。」

達也「いや、落ち込むも何も、別に付き合ってるわけじゃないから何をいう関係でもないよ」

 

努めて明るく振舞った。

 

高橋「それならいいんだけどよ」

達也「まあ、切り替えて飲もうか」

高橋は怪訝そうな顔をこちらに向けながらも不承不承納得したようだった。

 

次の店では1時間程飲んだがお互いに夏美ちゃんの話はせずに解散した。

東京では梅雨入りしていたが珍しく雨は降っていなかった。

天気とは裏腹に達也の心境は曇っていた。

 

 

 

翌日以降も夏美と連絡のやり取りをしていた達也は、先日のことが気になっていたが聞けずじまいで、次に会う約束をしていた。

 

数日後、目黒で待ち合わせとなった。

 

再会した夏美は以前と変わりなく、達也からは特に聞かず彼女から話してくるのを待つことにした。

先日の話はなかったが、これまでと変わらず食事をして楽しい時間を過ごした。

翌週に高橋と朋子の4人で飲むこととなった。

 

この日は2軒行ったが、夏美からの話はなかった。

 

 

 

 

4人で飲む待ち合わせはコリドー街だった。

高橋にも伝えていないことだが、この街に来ると夏美と出逢ったあの日より、夏美を見かけた高橋の話を思い出してしまう。

 

高橋「お疲れ!」

 

後ろから肩をポンと小突かれ、振り向くとニコニコ顔の高橋が。

 

高橋「あの日以来の4人だし楽しみだな」

達也「そうだな」

 

テンション高めな高橋に引っ張られるように気持ちを切り替え女性陣との待ち合わせ場所に向かう。

夏美と朋子と合流し、予約していたワインの種類が豊富なイタリアンバルへ。

 

店に入り乾杯を済ませ挨拶も早々に朋子が

 

朋子「で、お二人さんはどうなんですかー?」

冷やかし含みの笑みで夏美と僕を見比べながら聞いてきた。

高橋「なんか映画デートをしたらしいですね」

朋子に乗っかる形で高橋もにやけ顔で僕らを見る。

 

達也「デートというか、お出かけ?」

達也がそう言うと夏美はクスッと笑った。

夏美「そう、お出かけ楽しかったですね」

 

そんな調子で刑事さながらの取り調べを受けたが、時間を忘れてその場を楽しんだ。

 

2時間くらい経った頃、結構酔ってきていると思っていた高橋が口を開いた。

 

高橋「こないだ達也とコリドーで飲んでいたら、夏美ちゃんらしき人を見かけたんだよな」

高橋はそう言うと僕をチラリと見た。

達也「見たのは高橋で、おれは見てないけど」

 

夏美がどんな表情をしているのか気になる。

が、見ることができないでいると

夏美「会社の飲み会で新橋に来た日かな。コリドーに来たのは皆で飲んだ日以来だったから」

高橋「一緒にいた男の人とはどういう関係なの?」

夏美「会社の先輩で、何の関係もないよ。それとあの日は3人で飲んでいたよ」

高橋「そうなんだ!よかったな、達也!」

朋子「達也くん心配していたの?」

達也「心配してないし」

朋子「またまたー」

 

この話を切り出してくれた高橋に心の中で感謝しつつ、夏美を見ると何も言わず、顔が赤らんでいるように見えた。

正直ほっと安心して気が緩んだのかお酒が進み若干酔ってきた。

 

2軒目は高橋と朋子が二人で飲みたいからと解散したので、僕は夏美を誘った。

前回とは別のBarへ向かう間、コリドー通りを歩いた。

道行く男がいたるところで女性に声をかけていた。

そんな光景を見ながら夏美が言った。

 

夏美「達也さん、心配してくれたの?」

先程の高橋の話だと理解するまで時間がかかった。

達也「少しね。でも高橋から夏美ちゃんじゃないかもしれないって聞いていたから、別人の可能性もあったし・・・」

夏美「もしかして・・・こないだ会ったときも気になった?」

達也「・・・うん」

夏美「ごめんね、言い出しにくいよね。逆の立場だったら私も気になっていたと思う」

達也「いや、でも付き合っているわけじゃないし・・・心配しすぎるのも重くない?」

夏美「・・・そうだね」

 

急に夏美のテンションが下がったような感覚がした。

そんなことを話しているとBarに到着した。

 

マスター「いらっしゃいませ!」

マスター「美男美女でいいですね」

夏美「あら、ありがとうございます」

達也「謙遜しないのかい」

お喋り好きなマスターと3人で話していると

マスター「失礼ながら、お二人はどのようなご関係で?」

夏美「どう見えますか?」

達也が飲み友達ですと答える間もなく夏美が言った。

マスター「その質問で夫婦ではなさそうだから・・・カップルさんかな?」

達也「飲み友達ですよ」

マスター「まだ?」

変に意識しないことを達也は心掛けた。

しかし、考えれば考えるほど逆に変な感じになりそうだった。

夏美「まだ・・・かもしれないですね」

笑ってそう言うと、話題を変えて世間話に花を咲かせた。

 

緊張してか、気を張っていたせいか達也は全く酔っておらず、先程の彼女の発言が気になっていた。

 

―――まだかもしれない。

思い出す度、達也は叫びたくなる衝動を抑えつつ、会話を続けた。

 

 

しばらくして店を出た後、コリドー街を歩いた。

時刻は1時を回ろうとしていたが、街では変わらず男女が盛んに入り乱れていた。

こんな場所で出逢うなんてね。

夏美が呟いた。

 

でもこの場所だから出逢えたのかもね。

夏美はクスッと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にインタビューにご協力いただきました、友人高橋さんの後日談です。

 

 

 

 

 

あの日の帰りに結婚を前提に告白をした達也と夏美は交際をはじめ、半年後に挙式をあげました。

私は、友人代表として、親友の達也と結婚してくれた夏美さんに感謝の意を伝えました。

今では1児のパパ、ママとして忙しくも子育てに励んでいる3人の幸せを心より祈っています。

 

 

 

 

 

 

 

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