コリドー街ノンフィクション小説 (2/3) 再会

こんばんは、TOKYOアバンチュール ライターのナカムラです。
前回までのストーリー
彼女と破局し傷心中だった達也が友人に連れられてはじめてコリドー街に。
臆病になっていた達也だったが、そこで出逢った女性・夏美に惹かれ、後日映画デートの約束を交わした。
Chapter2 再会
達也は約束の時間より30分程早く到着していた。
待ち合わせ場所は東京ミッドタウン日比谷。
ランチをしてから映画に観る予定だ。
時間まで身だしなみを整えたり新作映画を調べたりしていると、待ち合わせ時間10分前に夏美が現れた。
花柄のワンピースで現れた彼女は、快晴だったこともあり前回よりも眩しく見えた。
夏美「こんにちは。待ちました?」
達也「こんにちは。さっききたところだよ」
早く着きすぎたことは伝えずにランチへ向かう。
お洒落なイタリアンレストランの窓際の席に座り、前回聞きそびれた夏美の過去の恋愛について尋ねた。
夏美「8年交際していた彼とは結婚の約束をしていたが、破断となっちゃって」
前回聞いたときに、もう引きずっていないと答えた彼女だったが、別れた当時の心境を考えると自分と重なり胸が苦しくなったと同時に、傷を抉るようなことを聞いてしまったことを悔いた。
達也「そうだったんだ。ごめんね、思い出したくないかもしれないことを聞いて」
夏美「ううん。いつまでも落ち込んでいられないし、もう吹っ切れたから大丈夫だよ」
彼女は笑いながらそう言った。
明るく気丈に振舞っているようにも見えなかったのだが、なんとなく趣味の話題を変えた。
夏美「達也さんはどんな女性がタイプなんですか」
達也「そうだね。大切に想ってくれる人がいいな」
夏美「それは私もです」
笑いながら話しているとそろそろ映画の時間が迫ってきたので、店を後にした。
映画はお互いに好きなシリアスな作品にした。
趣味が合うところを嬉しく思った。
映画は微妙だった。
何が言いたいかわからないものだったので、彼女に伝えると共感してくれた。
夏美「ハズレ引いちゃいましたかね」
達也「結構ハズレ引いちゃうかも。当たりだと得した気になるよね」
映画館を出て16時過ぎ、解散には少し早い時間だ。
達也「ちょっと歩きませんか?」
夏美「はい」
屈託のない彼女の笑顔を見ると心臓が高鳴った。
日比谷公園までの道中、久しぶりに感じる胸のドキドキを感じながら先程聞きそびれた話を聞いた。
達也「夏美さんはどんな方がお好きなんですか?」
すると夏美はフフッっと吹き出した。
達也「なんで笑ってるの?」
夏美「だって達也さん、口調が硬いから」
達也「じゃあ、、夏美ちゃんはどんな人が好きなの?」
夏美「私は、一緒にいて笑い合ったりできる楽しい人が好きです」
達也「僕も同じです」
彼女と話していると、時間を忘れるほど楽しい時間を過ごせることを達也は認めた。
いつしか彼女が気になる存在になっていたが、元カノとの記憶がよぎり過り踏み出すのに臆病になっていた。
公園のベンチに腰掛けてから話し込んで気が付くと2時間ほど経っていた。
達也「もう19時だね。どこかお店入ればよかったね」
夏美「そうだね。でも楽しかった。明日早いから今日は帰ろうかな」
名残惜しくもあったが、今日は解散し、駅まで送る。
夏美「本当に楽しかった。あの日の出逢いに感謝です」
達也「本当にそう。またみんなでも飲みたいね」
夏美「うん」
改札で見送り達也は帰路についた。
達也は高橋に呼び出された。
夏美ちゃんとの関係を聞かれたのだ。
出不精の私を連れ出してくれたお礼をするため誘いを受けたのだが、、
高橋「お疲れ!」
高橋は早く話を聞きたいと言わんばかりに目をキラキラさせて近づいてきた。
達也「お疲れ、こないだはありがとう。ただ、なんでまたコリドー街なんだよ」
高橋「いいじゃねえか。別にナンパ目的じゃない訳だし、コリドーには美味しいお店もあるんだから、そんな堅くなるなよ」
そういって高橋は目当ての店に向かいだした。
店は立ち飲みの雑多な居酒屋で年齢層は問わず賑わっていた。
高橋「ビールでいいよな?」
達也「お、おう」
勢いに飲まれた訳ではない。
ただ、店内で女性客に声をかける男性客がいたりでごった返していた。
(こんなところを夏美ちゃんに見られて誤解されたくないな。)
そんなことを考えていると矢継ぎ早に達也から質問攻めにあった。
最初にあった日の帰りに2人で二次会をしたこと、後日映画を見に行ったことを端的に説明した。
高橋はそれまで殻にこもっていた私を心配してくれたこともあり、ひどく喜んでくれた。
達也「出逢いがナンパなんてって思ってたけど、あの日連れて行ってくれてよかったよ。本当にありがとな」
高橋「お礼はいいから、話を聞かせろよ」
映画デートのあと、長い時間公園で話して楽しかったし、夏美さんのことを気になる存在といて意識していることを伝えた。
高橋「まあな。でも出逢いはナンパなんだから、その辺しっかり考えておけよ」
達也「分かってる。その辺の話はまだしてないけど、お互いに軽い気持ちの関係ではないと思ってる」
高橋「そうだといいけどな」
高橋と一緒に飲んで2時間程経ったので、別の店に向かうことに。
途中トイレに行った高橋を待っていると駆け足で戻ってきた高橋は気まずそうに言った。
高橋「・・・夏美ちゃんらしき人がいた。」
達也「えっ?」
高橋「多分だけど・・・男と一緒にいたような・・・」
次回予告
夏美と2つの意味で“再会”を果たした達也と高橋。
聞かされた達也の心境は・・・。
そして、夏美との関係はどうなるのか—-。
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