コリドー街ノンフィクション小説 (1/3) 雨の出逢い | 東京アバンチュール|東京の夜を遊び尽くすための総合情報サイト

コリドー街ノンフィクション小説 (1/3) 雨の出逢い

ストーリー

こんばんは、TOKYOアバンチュール ライターのナカムラです。

 

今から遡ること4年程前、達也さん(仮名)が友人に連れられてはじめてコリドー街を訪れた体験談を小説にまとめてみました。

 

 

 

Chapter1 雨の出逢い

 

 

 

3年程付き合っていた彼女と2か月前に別れたばかりということもあり、傷心だった私を友人の高橋が連れ出してくれた。

その日は、雨が降りしきる月曜日ということもあり話に聞いていた想像とは全く異なり、そもそも通りを歩いている人が少なくまずは適当にお店に入ることに。

 

乾杯をし、男だけで30分程飲んだ後、高橋がそろそろ出かけようかということになり、友人と店外へ。

 

“ナンパ”で有名な通りがあるということで聞いていたが、私はナンパのナの字も知らない程経験がないので、すべてお任せすることに。

2人で10分程通りを歩いていると、2人組の女性が現れ、高橋が駆け足で走り出した。

 

高橋「雨がひどいので、雨宿りがてら一緒に飲みませんか?」

 

声をかけると女性2人がこちらに聞き取れない程の小声で耳打ちをした後、

 

女性A「じゃあ・・・1杯だけなら」

 

1組目で成功すると思っていなかった私は驚きを隠しつつ、一言も発しないまま3人に着いていきました。

ですが、まだ傷心が癒えていない私は正直なところ乗り気ではなくモヤモヤ考え事をしながら歩いていると、お洒落な店構えのダイニングバーに着きました。

店に着き、全員がマスクを外して乾杯をしたところで、無意識ですが女性の1人が綺麗な人であるということを認識していました。

 

 

 

それぞれが簡単に自己紹介を終えたところで、女性の2人が朋子と夏美と名乗った。

綺麗な印象を受けた女性が夏美さんだ。

 

朋子「今日は夏美のためにコリドー街に来たんですよ」

 

聞くと、夏美さんは8年程付き合っていた彼氏と半年前に別れたばかりだということ。

いつまでも傷心してもいられないから、新しい出逢いが見つかるかもという朋子さんに連れられてコリドー街を訪れたということ。

話を聞きながら、私は前回の恋愛からまだ気持ちの切り替えが出来ていないな、と考えを巡らせているとそれぞれの恋愛話に。

友人に私も同じ境遇であることを告げられ、夏美さんと傷心者同士で話が盛り上がった。

そこから元カノの話を聞かれたり、仕事の話を聞いたりしていると気が付くと3時間程経っており時間は22時過ぎ。

もうじき帰らなければならないと思っていた時、ポツリと夏美さんが言った。

 

夏美「なんか達也さんとは、初めて会った気がしない・・・」

 

私は驚きと嬉しさが入り混じった感情を抱いていた。

全く同じことを考えていたからだ。

 

お会計中にまたみんなで飲もうという話でLINEの交換をすることに。

雨は止んでおり終電までまだ時間はあるが、早めの解散となった。

先程の夏美さんの発言に胸が高鳴るのを感じていた私は後ろ髪を引かれる思いでいたが、皆で駅まで歩いた。

 

またみんなで飲む約束をして解散した。

 

 

 

解散をしてすぐにスマホが鳴った。

ドキドキしつつ確認すると夏美さんからLINEが入っていた。

 

夏美「今日はありがとうございました。達也さんもう帰りますよね?」

達也「こちらこそありがとうございました。雨も止みましたし、もう少し飲みたいなと思っていました」

 

すぐに返信し、2人でもう1件行くこととなった。

改札前付近で10分程待っていると夏美さんが現れた。

目元しか見えないがメイクを直してきたのがすぐに分かった。

 

夏美「ごめんなさい。お手洗いが混んでて・・・」

達也「いえ。ではいきましょうか」

 

待っている間に見つけた静かなBarを訪れた。

生憎の天気が功を奏し、店内に客は少なかった。

カウンターに案内され横並びで腰掛ける。

 

 

夏美「達也さんと同じ気持ちで嬉しかったです」

達也「えっ?」

夏美「私ももう少し飲みたかったので。達也さんともお話したかったし・・・」

 

 

少し照れたような表情を浮かべながら夏美さんが言った。

そんな彼女の表情を見ていると、こちらも照れてしまい恥ずかしく思った。

薄暗い照明のせいか先程よりも綺麗に見えた。

 

夏美さんに最近別れた元カノについて聞かれたので、出会いから遡って彼女に伝えた。

彼女は私が話している間、静かに聞いてくれた。

私ばかり喋っているのも悪いので、彼女の話を聞くと、端的に答えた。

 

夏美「彼とは半年前に別れたけれど、もう引きずってないけどね。」

 

毅然とした物言いで彼女は断言した。

 

8年の長い期間連れ添った彼のことだ。

半年やそこらで忘れられるものだろうか---

と、野暮な思いを巡らせたが、口に出すのは止めた。

 

そこから先は主に過去の話について語り合った。

子供の頃、上京当時の記憶、休日の過ごし方など。

 

 

夏美「もうそろそろ終電ですね」

 

 

楽しい時期が過ぎていくのは早いものだ。

・・・楽しい?

そう、自分でも湧き上がってくる感情に蓋をしていたのだが、本当はしばらく前から気付いていた。

僕は彼女と話していて楽しいと感じていたことに—-。

 

 

会計を済ませ店を出ると、またポツポツと雨が降り出していた。

1つの傘に寄り添うようにして歩きながら、今度はお昼に映画を観に行く約束をしていた。

彼女を駅で見送った後、今日この街に来たこと、そして夏美さんに出逢えたことを振り返り、改めて友人に感謝しつつ帰路についた。

 

 

次回予告

傷心だった達也は自らの気持ちに気づく。

次回夏美と初めての映画デートをするのだが、2人は結ばれるのか。

 

 

 

 

 

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